【Interview】動きづくりエクササイズ・モニター・インタビュー Vol.7(動き方やカラダの使い方こそ、 今やっておくべきこと)

 
先日、ミニバス・チームを対象にして「子どもOS動きづくりエクササイズ・モニター」を実施しました。
そのミニバス・チームのコーチをつとめるI川氏にインタビューを行い、弊社と関わる経緯から現在の指導環境、そして親と子の関係まで、多岐にわたる深い思いを語っていただきました。
今回は最終回のVol.7となっています。是非、ごらんください。

 
= Vol.7(動き方やカラダの使い方こそ、 今やっておくべきこと) =

:今回の動きづくりエクササイズモニターの教科書でもある『世界のトップアスリートの能力を子どものときに身につける(森川靖 著)』に掲載しているコンディショニング・エクササイズは、実際のプレーがよくなるように、森川が練りに練って作っているプログラムなんです。

I川:なるほど。

:ただ、コンディショニング・エクササイズは、実際のプレーの動きをインナー・マッスルというレベルにまで分解してしまっているので、外から見るとなかなか分かりにくいと思います。だからそれだけを見ると、大半の人は何をやっているかわからず、「これをやっていったい何になるんだ?」と思ってしまうんじゃないでしょうか。

I川:確かに、コンディショニング・エクササイズだけを見ているとプレーとの繋がりが見えなくなっちゃいますね。

:でも、今回のように継続して取り組んできたチームの選手は、カラダや動き、感覚が変わってくるんです。そうすると、「きちんと止まろう」とか「しっかり跳ぼう」といったコーチの要求に対して、選手はスムーズに対応できるようになるんです。そして、そういう状態で練習をしていくことで結果的にプレーが向上することになる。

I川:今回それをよく感じました。

:インナー・マッスルの動きを身につけるためのコンディショニング・エクササイズは1日15分でいいんです。だけど、普通はその時間を走るメニューとかハンドリングとかに当てたくなると思うんですよね。

I川:そうですね。他のチームを見ていると、ほとんどみんな技術、技術・・・。やれ、ドリブルがどうだとかやってるんですけどね。うちは実はあまり練習しないんです。“ボール・ハンドリングだけ”みたいなものは・・・。どのみち中学に行ったらボールもリングの高さも変わり、言わば競技が変わるので、今5号ボールの扱いだけうまくなるより、カラダの使い方を学んでほしいと思っているんです。

:わたしもそう考えています。

I川:最初は、そのコンディショニング・エクササイズをやっても「こんな感じでいいのかな?」という部分もあったし、「そんなすぐに効果は出ないかも」と思っていたんです。それでも続けてみたらとてもいい効果が出てきて、それをコーチも選手も保護者も実感することができたんです。たったの8週間で!

:もちろん、それは以前からI川コーチがたくさんのことを指導されていて、選手たちがきちんと吸収するように普段からどん欲に取り組んできた成果だと思います。今回はそれに加えて、1日15分のコンディショニング・エクササイズを8週間行なってみたら、プラスアルファの成果が出たということだと思うんです。

I川:そうですね。とても大きなプラスアルファだったと思っています。そしてそれだけでなく、今後彼らが中学生、高校生と成長していくにあたって、カラダや動きを感じるという上達するための引き出しが増えたと思います。

:なるほど。

I川:例えば、うまくいかなかったときに、本を見て「STEP1からもう1回やってみようかな?」と思うようになってくれるかもしれません。そして、今後何かに行き詰まったときに、人のせいにせず、「もう1回初心にかえってみよう、自分で自分を何とかしてみよう!」という考え方になって行動してくれたらいいなと思ってます。

:そうですよね。さらに言うと、自分のカラダと向き合ったことや、自分が変われたということが過去にあると、引き出しの中にプラスの経験として入っていると思います。そうすると、行き詰まるとかでなくても、「もっとよくなりたい!」ということで自主的かつ積極的に取り組んでいけるかもしれませんよね。そういう意味でも、今回の子どもOS動きづくりエクササイズモニターは意味があったのでしょうね。

I川:本当にそうです。あとそれに中学生になると、カラダつきも変わってきますし、放っておくと関節周りとかも硬くなってきてしまうかもしれないので、この先もコンディショニング・エクササイズを続けていってほしいなと思います。

:選手の中には、中学生になってコンディショニング・エクササイズなどをやらなくなった途端に、また一気にガチガチなカラダになってしまいそうな子もちらほらいましたもんね。

I川:そうなんです。でも、彼らの進学先が近くの中学とかだとたまに見たりもできるし、仮にその時にあまり良い状態でなかったら、「コンディショニング・エクササイズやってるか?」、「またきちんとやってみなさいよ!」という感じでアドバイスもできるかもしれません。彼らと共通の話題にもなるので、そういう意味でも、やはりコンディショニング・エクササイズのモニターをやって良かったと思います。

:なるほど。

I川:もちろんその部の顧問やコーチがいますから、バスケットボールのことをどうこうということではないです。そうじゃなくて、コンディショニング・エクササイズなどの部分を通じて、カラダのこととか動きのこととかを、時によってはアドバイスしてあげられたらとも思っています。

:それはいいですね!
今回のモニターは、1回1回が限られた時間だったこともあり、通常のチーム指導からすると、わたしとしてはイントロダクションぐらいしかできていない感覚ではあったのです。

I川:そうでしたか。

:本来は、多くの選手がほとんど意識のないインナー・マッスルについて学び、それを感じとることができるようにするところから進めていくのです。しかし今回は、子どもOSという教科書があり、それに沿ってまずはやり方を先に伝えるという状態でしたから。もちろん注意点とかコツとかをいくつか伝えて、その場で少しの反復をしてもらいましたが・・・。

I川:そうですね。

:小学生の段階で詳しく理屈までを理解して取り組むことは難しいですし、保護者のみなさんも初めて見ることばかりだから、うまく成果が出るかどうか少し不安な気持ちもあったんです。

I川:そうそう。まったくみんなゼロから。

:それにも関わらず、8週間の継続の結果、跳べるようになって、1歩目がすばやくなって、止まれるようになった・・・。この成果はやはりすごいものだと思います。ちなみに、個人的にはそういう感想を聞けてとてもホッとしました(笑)。

I川:そして、そのインナー・マッスルの動きがプレーに繋がって向上した選手が何人もいましたからね。

:それに、アンケートを読ませていただきましたけど、彼らはよく家で継続的に取り組んでくれましたよね。ほとんどの子が「週3回以上」家で取り組んだと書いていました。それもまたすごいと感じました。

I川:みんながそれぞれどういう心境でやっていたのかまでは分かりませんけど・・・(笑)。

:もちろんそれぞれ環境が違うと思います。しかし、I川コーチの息子さんの「恋愛ドラマを見ながらコンディショニング・エクササイズをやっていた」という話も含めてのわたしの感想は、仮に意識が半分ぐらい別の部分に行っていても、継続するとやっぱり変わるんだな〜と。とくに小学生の年代ならそれが顕著に現れるということをあらためて実感しました。

I川:だから、今回こうやってコンディショニング・エクササイズをやらせてもらって子ども達の変化を見ると、やはり、「動き方とかカラダの使い方こそ、いま、小学生のときにやっておくべきこと」なんじゃないかと思います。

:そうですね。インナー・マッスルのコントロールは、最初は難しいと思われてしまうことが多いのですが、毎日少しずつ継続することで、自然に身についてくると感じています。
森川はインナー・マッスルのコントロールを「動きのファンダメンタル」と呼んでいるのですけど、やはり小学生の年代でそこの部分を身につけておくと将来の可能性が大きく拡がるだろうなとは思っています。

I川:なるほど「動きのファンダメンタル」ですか・・・。深いですし、まさにその通りだと思います。

:さてさて、その後選手のみんなはどうですか?

I川:引き続きコンディショニング・エクササイズを行っていますけど、卒業生たちに比べて、新6年生はまだ身になっていない感じがありますね。
ただ、何れにしても、継続することでまず変わることができるというのは選手も保護者もよくわかったと思うので、これからもコンディショニング・エクササイズを続けていきたいと思います。

:話が尽きませんね(笑)。すっかりロング・インタビューになってしまいました。今回はモニターへのご協力含め、本当にありがとうございました。またいつか選手のみなさんの様子を見に伺いたいと思います。

I川:お待ちしています! またコンディショニング・エクササイズの指導と、できれば今度はフットワークなどの動きの指導もよろしくお願いします。こちらこそ、ありがとうございました。
 
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